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アルバム  NO.9  
2005.09.25
スライドショー


蝶  NSOK
 画面いっぱいのアゲハチョウ、これは見事。うまいこといったな、と思ったら、孵化したばかりのものをつまんで,こちらの都合のいい場所へ移したのだとか。へエーそんなことができるのか。鱗粉が傷まないのかな。いずれにしても、そんな手が使えるとしたら、もう少しバックが整理しやすいところがなかったのかな。


 

初秋の雲  NGC
 画面の大部分を覆う雲と、左にわずかにのぞく青空。何となく懐かしさを感じる風景です。青空に比べて雲がべたっと大きい。そのアンバランスはまぬがれない。解決方法は何か。右下に見える太陽。雲の切れ目から、チラッとでも太陽本体が覗けば、光線が差し出て、いっぺんに効果が上がったのだが。


収穫の季節  ND
 たわわに実った稲。まさに「収穫の季節」。その上は紺碧の空と白い雲。絵に描いたような風景に、思わずカメラを向けた。あ〜あ、画面が完全に2分割されてしまった。よくやるんですこういう失敗。 この場合は、あわてなくても風景は逃げません。カメラを向ける前に、自分が撮ろうとしているのは、稲なのか、空なのかを自分に訪ねてください。
 イネなら、カメラの位置を高くして、下に向け地平線をあげる。空は捨てる。これは簡単な話。問題は空を生かしたい場合。そのままカメラを上へ向けたのでは、手前の実った稲はファインダーの外へ出てしまう。そうなれば収穫の季節ではなくなってしまう。ワイドを使って、手前のたわわな穂が入るようにカメラの位置を下げて、上へ向ける。


 

高原の夏  HYS
 写っている材料は異なるが、同じ要素の写真が2枚並んだ。青空、白い雲、画面を2分する地平線。いうべきことは、左のNDさんの項とまったく同じ。しかしHYSさんの場合は、左下の花に乱れがある。だとしたら、この場所からに限定すれば、花をできるだけ圧縮したほうがいい。まずカメラを下げる。手前に花を入れて、遠景に並木道と白い雲。その上は抜けるような青空。 花の面が整っていたら、今度はカメラ位置を高くして、白雲の少し上あたりから下の絵を作るという手もある。


利尻  MTNM
 北欧のフィヨルドを思わす地形です。行ってきました写真で、これ以上どうにもならないと思います。曇っていて、あまり魅力のない空を最小限におさえて、構図としても安定しています。欲をいえば、対岸の山?、岬の荒々しさに比べて、手前の岸が余りにものっぺりしていて味がない。左端の暗くつぶれている部分がけっこう荒々しい。これをもっと引っ張り出す手はなかっただろうか。


 

あやめ  MRYM
 題もずばり「あやめ」。ワシはあやめじゃ、文句あッカ?とど真ん中に持ってきた。しかしそれが不思議と気にならない。120度ずつ開いた、三菱のマークのような花びらが、バランスよく配置されているからでしょう。バックのぼけも、左下がにぎやかなのを除いては、うまく整理されています。
 全体にピントがやや甘いのが気になる。ピンボケというよりは、被写体ブレじゃないかな。アップした植物を止めるのは至難の業です。これも研究材料の一つ。


 

MTB
 植物の名前は分からないけれど、伊吹山、霧の中での撮影とか。左が原版です。ひかりにとぼしく、コントラストも低い。しかしよく見ると中央の背の高い枝の葉っぱには水滴がきれいに並んでいる。右下に少しごちゃごちゃと邪魔者が見えるが致命傷というほどのものではない。
 以下は、私のちょっとしたイタズラ。もともと光量不足のところでの撮影だが、単純に明るくしただけでは、ハイキーになるだけで解決しない。ということで、コントラストを上げてみたのが右の写真。水滴はむしろ分かりにくくなったが、他の黄色系統の色の葉っぱが変身した。
 こういうコンピュータ処理を邪道だと見る向きもあるが、昔のモノクロ時代にも、いろいろ工夫して自分なりのテクニックで作品を作っていた。それを思うと、これも一つの表現方法だと私は思う。
(講座で皆さんの好みを尋ねたところ、原版派が圧倒的多数でした。)


妓王井川(生和神社あたり)  MRKM
 石垣の上の民家、それが水面に陰をおとす。右側はこぎれいな石段に、石柱の列。しっとりと落ち着いた水辺の風景、になるはずだった。ところが残念、太陽光線が強すぎた。コントラストが強すぎて、全体の雰囲気がカチャカチャと騒がしくなった。薄曇の日に撮り直してみてはどうだろう。


 

夕や明け雲  YMD
 確かにきれいな夕やけ雲。太陽を中心として、放射状に広がっているように見える。これがこの写真の魅力。だとしたら、その広がりをもっと見たいというのが人間の気持ち。 このままだと。太陽がほぼ画面の真ん中にある。太陽をもっと下へ持ってくる。カメラをそのまま上へ向けるのではなしに、例によってカメラの位置をもっと下げる。カメラの前方3〜4mぐらいのところにススキの穂先が見える。 (拡大写真を見てもらうとよく分かる)その穂先と太陽が重なるぐらいに持ってくる。穂先も光るはず。そこまでカメラを下げてから、上へ向ける。そうすれば、今より1.5倍ぐらい広い空がゲットできる。


山里  YND
 三上山と古い民家の屋根との組合せ。私も現場へいったことはあるが、周囲の民家が邪魔になって、窮屈な絵になるのであきらめたことがある。ところがテレビ東京だったかが、ここを撮りに来た。テレビの場合は、画面を移動させながらズームアップさせる手が使えるので、途中に電柱があったりしても、風景の中に流れていってしまうから気にならない。ところがスチル写真はそうは行かない。そこが苦労。  この窮屈さはどうにもシンドイ。


 

水脈曳く手漕ぎ舟  IKTN
 手漕ぎ舟もさることながら、この写真の魅力は水面の波です。特に右側の影に入った波がいい。手前下半分にも波はあるのだが、カメラが高かったため(橋の上からかな)空の反射部分に入ってしまい、のっぺりしてしまった。この位置からではどうしようもなし。  舟の前方の白く飛んだ水面が苦しい。あともう少し待って、船の屋根の先端が、飛んだ部分にかかるくらいだとよかったのだが。


野洲川  IMGW
 カメラ位置を下げて、手前に大きくヨシを入れた。狙いは分かるのだが、残念ながら地平線が画面を二分割してしまった。上半分の曇り空は魅力なしだから、この場合、カメラを下げたのは失敗。このカメラ位置は、上の空が生きているとき、縦位置で空を高く撮るときのポジション。そうすると水平線の二分割も逃げられる。
 じゃ、この場合はどうするか。ワイドでタテ位置。カメラはできるだけ高く、ヨシにかぶさるように(場合によっては水に入って)、三上山の頂上を画面の端まで持ってくる。
 ピントが甘いのが気になる。


 

最後のターン  OOMC
 岩に衝突瞬前のターンというイメージなのだが、なぜかその緊迫感が感じ取れない。それどころか、画面の上半分を占める岩が、邪魔にすら感じられる。なぜか。結局は、この場面では、カヌーが岩と平行になっているからだろう。衝突する心配はどこにもない。 カヌー本体が、岩と少しでも角度を持った位置で、露出間ズームで狙うとどうだろう。少なくとも岸壁はぶれたほうがよい。


苔むす木  KS
 いい材料です。これを見つけたのは成功。うれしくなって思わずカメラを向けた。この「思わず」がくせもの。いちばん明るい方向(自分の背中から光が当たる方向)からカメラを向けてしまった。結果、せっかくの木が陰影の乏しいものになってしまった。右側の細い木あたりまで回りこんでみたら、光が変わったはず。
 こういう被写体は、ぐっと絞り込んで、木の材質をしっかりと表現する。


 

鶏鳴の滝  TNK
 流れ落ちる双子滝。その勾配感が気持ちいい。しぶきも程よく止まって、うまく流れを表現しています。前景の細い木も上品で邪魔にならず、いいアクセントになっています。典型的な滝の写真といえましょう。


 

秋 NKMR
帆立貝棚田の続報。見事な稲架です。光はほとんど真上からに見えますが、ほんの少し向うに傾いているようです。結果、ハザの本体部分は陰になり、上端部がハイライトになりました。ハザにとっては非常にいい光線になりました。 刈り取りがまだ部分的にしか終わっていないので、全体の姿は捨てて、ハザの部分だけをアップしたのも正解でした。全体の刈入れが終わったとしたら、今度はどう撮るか。また迷うところです。