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アルバム  NO.8  
2005.09.11
スライドショー


 

山の朝 NKMR
手前の2つの山並みは別にして、その向うはコントラストが低い。画面の上3分の1を越える部分がべたっとして何の変化もない。このままでは山の朝のイメージはほとんど生きてこない。中村さんが「山の朝」として、カメラをを向けようとしたのは、多分谷間を埋める雲海だったのでしょう。だとしたら、それを少しでも強調できる所を切り取るべきでした。 全体として、かぶったような色調がマイナスになりました。

 

日の出  NSOK
三上山から昇る夏の太陽。夏の朝のどんよりとした雲の中に太陽が浮かぶ。三上山は近くて大きいからレンズは短くなる。当然太陽は小さくなる。目で見たときはもっと大きく見えたかもしれませんが、カメラは人間の目のようには感動してくれない。最も魅力のない太陽にカメラを向けてしまった。 空気が澄んでいる場合は、広角で撮っても山際から上る太陽が、きらりとした光芒をともなって存在感を示してくれます。要は撮影条件の問題。

 

夏の夜のひと時  NGC
前回の山田さんの作品と同じことがいえます。いわゆるドンパチ花火ではなしに、露出を控えめにして、花火の光の一つ一つを点としてとらえて、絵を作ったのが成功しました。初めからこのような絵をイメージして露出をかけたのか、たまたまこうなったのか。そこが問題。

 

夏雲  ND
 「夏雲」というタイトルですが、それらしいのは左下の雲塊だけで、全体としては、秋の雲のイメージのほうが強い。草原の中央の木がきいていますが、ちょっと遠すぎて主役としては力が弱い。手前に大きくススキの穂などを持ち込んで、空を引き締めればよかったですね。いずれにしても、この空なら、夏雲というよりは、晩夏から初秋のイメージで絵を作るべきでした。

 

雲海  HYS
天気の変わり目でしょうか。晴天の名残で雲海ができているが、上空には雲が厚い。かろうじて東のほうの高気圧の最後の部分だけが明るい。このあと天気は西から急速に崩れていく。そんな一瞬を切り取った。  レンズの長さが分かりませんが、標準ぐらいでしょう。もっと短くできるとすれば、できる限り短くして、上空の厚い雲をもっと入れてもよかったのではないか。当然、水平線上の明るみは小さくなります。高気圧の名残へのいとおしさ、最後の火が消えるという感じで。

 

ハス  MTNM
「ハス」というタイトルになっていますが、いわゆる近江妙連。花そのものもごちゃごちゃとしていて、とりにくい花ですが、それをうまくまとめました。ただ、残念だったのは、肝心のピントが花びらに来ていない。これは致命傷です。今のオートカメラで、どうしてこうなったのか不思議です。 それと細かいことだけれども、花の右上にちらと見える別の花が邪魔だった。

 

SLやまぐち号  MTB
いわゆる行ってきました写真、その場限りの一発勝負だから、これ以上どうしようもない。タイトルもこれしか仕方なし。 もし毎日ここへ行けるとしたら、これをどう撮るか。2回目までは、同じ狙いで行くとしても、3日目からはいやになる。何とか別の狙いを考える。そこからが勝負。

 

MRYM
タイトルがついていなかったので、作者の狙いは分からないが、高山植物のアップもの。珍しい花が咲いていたから、思わずそのままカメラを向けて撮ってきました、といったところ。花の手前の草が邪魔。これはちょっと注意すれば、のけることができた。

 

滝  YMD
 滝つぼは写っていませんが、滝の全景写真でしょう。滝というとスローシャッターによる流水描写が当たり前になっています。何でもかでも流せばいいというわけではありませんが、この場合はうまくいっています。 問題は左側の岩肌のハイライトです。滝はほとんどの場合、暗く木に覆われた場所にあり、往々にして木の葉もれのハイライトが画面の邪魔をします。色も異質です。これは画面に入れないようにする以外手はありません。  ということで、滝の中段あたりをアップしてみました。もう少しシャッターを速くして、水滴の流れとして写る部分があっても面白かったような気もします。
撮影者後日談:岩肌が飛ぶのは予測していましたが、左端に見える小さな滝を入れたくて。

 

夏の渓流  MRKM
この絵は、3つに分けて見ることができます。上の明るい緑の部分。中段の暗くつぶれた部分。下の流れの部分です。特に上の緑は魅力です。下の渓流も捨てがたい。真ん中の部分はなくてもいい。さてどうするか。  ワイドレンズでカメラを下げて、下の流れに近づき、カメラを上に向ける。そうすると、流れが大きくなって、中段の暗部が小さくなり、その上に明るい緑が広がるはずです。  ファインダーを覗きながらそんなところまでカメラを持っていけるか。ウエストレベルのファインダーなら簡単なのですが、アイレベルのファインダーではシンドイ。 ピントが全体に甘い。カメラぶれか。手前の白い部分の大きさも注意が必要です。

 

お花畑  YND
 柵があって立ち入り禁止のお花畑。中央の黄色の2本を主役に仕立てようとしたのだけれど、この大きさではちょっと無理だった。近寄れないのだから仕方がないのだけれど。  この場合、太陽は自分の真後ろやや左よりのところにある。いわゆる順光線です。もう少し右へ移動して黄色い花を狙うと、太陽は自分の左側に回ってくるはずです。こういうお花畑のような場合、どちらがいいとは言い切れないけれど、やってみる必要はあります。 遠景の山の稜線があったほうがいいのか、ないほうがいいのか。これは議論が分かれるところです。

 

梅花藻 IKTN
きれいな水の中でしか咲かない水中花、目で見るときれいな花なのだが、このように上から撮ると、水の透明感がなくなって汚く写ってしまう。 透明な水の存在感、その中の花。これをまとめるのがこの花の勝負。ローアングルか。

 

五個荘商人屋敷  IMGW
せっかくの材料を前にして、気楽なスナップに終わらせてしまった。残念。この場合電柱から右は不要。  この画面の中で、いちばん印象が強いのは水路に映る白壁です。それがもう少しのところでちょん切れた。タテ位置にして水面の影を主役にすればけっこういい絵になったでしょう。  このままヨコ位置でいくとすれば、もう2.3歩前へ出て、手前の壁の四角い窓を大きくする。その場合、水に映る影に気がいってはだめ。あっさり捨ててしまう。

 

磯の夏風景  OOMC
 夏の真昼の磯。たしか舟を斜めから撮ったのもあったのだが、この真正面からのを選んだ。その理由は何か。私なりに解釈すれば、舟の方向性。ここに見える4艘の舟はすべて一点を向いている。舟が向いている海底の色もその部分だけ異なって見える。そこから漁師さんの日常の動きが見えてくる。この小さな船で沖へ乗り出していく漁師さん。 その漁師さん、ただいま昼寝中。

 

フヨウの寺で  KS
 芙蓉を撮ったのか、鐘楼?を撮ったのか。題名からして、作者も両方に気持ちがかかっているようです。この場所で撮るとすれば、もう少し左下に寄ってカメラを右に向ける。花を鐘楼の屋根の暗い部分に持ってくる。左の縦の空は不要。 

 

古木 TNK
この古木を狙った気持ちは分かります。しかし、中央の幹の右側、写真の中心部分がごちゃごちゃと分かりにくい。この部分がもう少し整理されていたらとくやまれます。青空のときに、カメラを低くして、遠景の山を下げ、幹を空に出して。相手の木の形が変わらなければ無理かな。